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長野県北安曇郡

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一着の服

最終更新日:2019年11月13日

 先日、小谷村の中谷地域にお住まいだった山田さんが役場を訪れて、「長い間、小谷村で世話になったから」と、ご寄付をしていただいたうえに「これは貴重なものだそうなので、村で活用してください」と言って一着の古い背広を広げてくれました。

 山田さんの祖母が、終戦後のものの無い時代に、山田さんのお父さんのためにイラクサを刈り、その皮を剥いで、糸を紡ぎ、布に織って、洋服に仕立てたものだそうです。

一着の服画像1

 前から写した洋服・・・・長い間、風呂敷に包まれていたため皺(しわ)がありますが、薄い茶褐色の背広です。

一着の服画像2

 後ろから写した洋服・・・・手触りは堅く麻の服に似た感じです。

一着の服画像3

 上着の襟の所の写真、裏地はイラクサの布ではないと思います。

一着の服画像4

 ズボンのお尻の部分の拡大写真です。布はしっかりと目も詰まって織ってあります・・・・紡いだ糸が同じ太さになっているからですかね?

一着の服画像5

 後日、山田さんから手紙をいただき、手紙には中谷地域への思い、中谷地域で過ごした楽しい思い出がつづられていました。そして平成24年に地元の新聞「大糸タイムス」に掲載された民俗・日本思想史家の田中欣一さんの記事が同封されていました。その記事を読むと洋服は昭和23(1948)年に作られたもので、記事の最後に筆者がイラクサで作った洋服を見て、「イラクサ服一着は、小谷の名誉ある織物文化の最後の作品であることを思って感動的でさえあった。公開展示が望まれるのである。」と記されていました。

 出来れば役場の近くにある茅葺の小谷村郷土館に展示したいと考えています。郷土館には、小谷村の民俗資料・考古学資料・歴史資料等を多数展示していますから。

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