最終更新日:2025年6月3日
中村 義明(なかむら よしあき)
第8代村長に就任(自:平成31年4月27日~在職中(2期目))
6月、水無月が始まりました。
小谷村では、田植え後の水田に苗が揺らめき、新緑がまぶしく映える時期となってまいりました。また、初夏の農繁期、野菜苗の定植なども一段落し、苗の成長を楽しみにするとともに、村民の皆様におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。
はじめに、国内においては、物価上昇に歯止めがかからず、特に米の需要増による米価高騰は、国民生活に重くのしかかっているとされているそのさなかに、農水大臣の失言による交代があるなど、石破政権においては、厳しい政権運営となっている昨今であります。
その一方で小谷村観光連盟の報告によりますと、当村における先の冬季スキー場への来場者数においては、昨年をも上回る誘客があった実績となっており、コロナ禍前の状況を完全に超えた来村者数となり、大変うれしい結果として受け止めております。
このことは、昨年来から続く訪日外国人の需要増によって来場実績を押し上げたことは周知の事実ですが、スキー場の特徴や景観から訪問地域として当村を選んでいただけたという評価は、本年も多くの皆様からお聞きしておりますので、今後に向けても大きく意義のある実績として捉えております。
そんな中、小谷村ではいよいよ夏の観光シーズンを迎え、全国各地のお客様からお越しいただく時期となってまいりました。今年度、栂池自然園の開園は、6月7日の土曜日となります。今年は雪が多かったため、まだまだ雪に覆われた開園祭となりそうですが、まずは水芭蕉の見ごろを迎える頃から夏の冷涼な気候と希少な植物、秋には見事な紅葉を堪能いただき終了するまでの約5か月間、天候に恵まれて大勢のお客様から訪れていただけるよう願っているところであります。
栂池自然園については、水芭蕉のつながりで尾瀬国立公園を有する群馬県片品村との観光交流等について、一昨年協定を締結いたしました。小谷村観光連盟では、片品村観光協会とタイアップし、スタンプラリーなども計画しているとのことですので、ホームページなど、村民の皆様においてもご覧いただきますようお願い申し上げます。
それでは、5月に行われました行事について報告いたします。
3日には、恒例の塩の道まつりを開催いたしました。本年も友好姉妹市町として交流をしている静岡県菊川市の佐藤副市長をはじめとした皆様や千葉県白子町の皆様からもご参加いただいき、総勢約2,600名のお客様から古の道を歩いていただきました。ご来村いただいたお客様からは、小谷村の特色である「ふるまい」にとても感動していただいており、村をあげての歓迎として大変喜んでおられました。ご協力願いました地区会や村民の皆様方には、改めて御礼を申し上げます。
また24日には、日本ロングトレイル協会の皆様からも塩の道を歩いていただきました。御来村いただいた皆様の中には、カップヌードルでお馴染みの、日清食品の社長さんもいらっしゃるなど、塩の道を大切にしている小谷村としては、大変光栄なことであり、今後の広がりに期待をしたいところであります。
10日には、妙高市市制施行20周年の記念式典があり列席してまいりました。妙高市とは、冬期は閉鎖となる林道妙高小谷線でつながっており、毎年開通時期の問い合わせがあるなど連絡を密にしているところであります。
翌11日には、大糸線南小谷駅に、いわゆる「お召列車」とされるハイグレード列車「なごみ」が入線しました。当日は、多くの村民の皆様からもイベントにご協力いただくなど、賑わいを見る事ができました。ご参加いただいた皆様、大変ありがとうございました。
17日の土曜日には、北安曇郡スポーツ祭が当村で開催されました。当日は雨天となったため、野球とソフトボールは中止となり、ママさんバレーボールのみが行われました。日頃からチームワークよく取り組んでいる選手の皆様の活躍に感謝を申し上げます。
23日には、大北地区森林祭が大町市で開催されました。当日は大町北小学校4年生の皆さんや一般の参加者など総勢150名を超える皆さんから植樹などをしていただきました。今回は、赤松や大山桜、モミジなど300本の植樹を行い、特に子ども達には、貴重な体験として心に残ってくれたことと感じております。
そして24日にもう一つ、小谷村民ゴルフコンペが糸魚川カントリークラブで開催されました。あいにく雨模様の天候となったようですが、32名の皆様から参加をいただきプレーを楽しんでいただきました。ゴルフは、幅広い年代層や技量の異なるプレイヤー同士が公平な基準となるようにハンディキャップ制度があり、健康増進にもつながるものであります。参加された皆さんは、それぞれ楽しんでいただけたものと思います。
さて、毎年申しておりますが、6月の和名、水無月は、水田に水を引くため、ほかに使う水が無くなるという意味で使われるようになったと暦の読み解きで伝えています。また、「水の月」とされていることが本来の意味のようでもあります。諸説あるとは思いますが、近年では、梅雨入りの時期と併せて大規模災害に結びつく豪雨が心配される時候であります。
梅雨入りは、気象庁から発表されますが、昨年は、6月22日頃から7月31日頃までが梅雨の期間として記録されております。今年はどのように推移するのか分かりませんが概ねその頃と思っていただければと存じます。
その上で、繰り返し申し上げますが、梅雨の時期と合いまった線状降水帯の発生による豪雨被害は、まさにこの時期に集中しており、当村の平成7年豪雨災害も然りであります。当時の最大時間雨量は48mmで、とんでもない降り方だなと感じておりましたが、現在では、その倍以上にあたる100mmを超える降雨は全国各地で起きております。当村においても起こり得ることであり、それは過去の歴史を塗り替えるような大規模災害に直結することであります。今年は、その平成7年豪雨災害から30年の時を刻むこととなりますので、引き続きの防災啓発となるべく、当時を振り返るディスカッションなど、この機会を捉えた催しを企画いたしますので、その際にはご参加いただきますようお願いいたします。
結びに、今月21日は夏至となります。農繁期が一段落し暑い夏に向かって季節が変わってくるところですので、梅雨時期とあいまった気候に体調管理も難しくなりますが、村民の皆様には、健康に十分ご留意いただきまして、毎日「明るく、楽しく、元気に」過ごされますことを切に願い、今月のあいさつといたします。